8月1〜8日
 約1週間、ここでの生活の中で色々な事を体験させて頂きました。ボランティアとして自分がどのように行動したり、発言したら良いのか、戸惑う事も多く、スタッフの方々や、寮生の人には色々ご迷惑をおかけしたように思います。

1番驚いたのは、スタッフの人が、本当に力いっぱい寮生を叱っていた事です。
それは、普段の生活態度から作業、レクリエーションにおいてでもでした。
こんなことはスタッフの方が言っていたように、フリースペースやカウンセリングで決してできることではないし、血の繋がりのない関係だからこそ過干渉にも過保護にもならず、寮生も聞き入れることができる部分があるのではないかな、と思いました。

だから、社会に出て暮らしていくための術を、人間としての在り方を他の通所型施設などよりも短期間で身につける事ができるのではないかと思います。
私もたった1週間の間ですが、自分がすべき事は自分で考え、行動に移す、ということがどれだけ大切なことで、人の成長に重要な事か気づかされました。

 今、大学でひきもりをジェンダーという視点から考察しようと考えています。
色々な文献を読み、考える事で何かがわかればと思っていますが、実際にこの場所にいると、結局は社会に出ようと努力する当事者とそれを真剣に支えてくれる誰かがいさえすれば、思っているよりも短期間で目標は達成でき、そのような研究は意味を持たないかもしれないとさえ思います。

社会に出ようと努力し始めるまでが、ひきこもりにとって高いハードルとなり、本当に難しいことであるとは思います。
でも、もしここに来れたら普通に生活している私達よりも、多くの事を学んだ大きな人間になれると思います。

 最後に、何もわからない、役にも立たない私に嫌な顔一つせずに、色々と教えてくれた寮生のみなさん、本当にありがとうございました。そして、きっと私の至らないところを大目に見てくださり、受け入れてくださったスタッフの方々とそのご家族に感謝します。                                                             
辻田 梨紗

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