CHANGE YOURSELF!
〜更なる支援の模索とネットワークの構築〜

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 長崎でまた事件が起こってしまった。もうのらこみRでも何度か書いているが、やはり今回も加害者は事前に様々なシグナルを出していて、親は児童相談所等にも相談していたが、結局、周りの大人は気づけずにいて、(いや、見てみぬふりをていたのかもしれないが・・・。)結局は二人の犠牲者(加害者も適切なケアを受けていればこのようなことには至らなかったという意味で犠牲者といえる)を出してしまった。

だからといって当該責任者だけの首を切って済む話でもない。それよりもっと根本的なところに問題は隠れているのだ。しかし、今の社会や学校も含めた公的機関の対応ではこのような事件は今後も増えることはあっても決して減ることは無いだろう。

 ではこの根本的な問題とは?。それは、我々一人一人の生き方にある。
生き方といえば大げさだが簡単に言えば、日頃の自分の言動で、嫌なことはしたくない。自分(自分の子)さえよければ他人がどうなろうとは知ったことではない。都合の悪いことは他人(相方)のせい、自分だけが被害者で誰かがミスれば大騒ぎ。思い当らないだろうか?私自身書きながら胸が痛いが・・・、子供はこれらの親の言動を見ているのだ。こんな環境で育った子供が他人を思いやることなんて出来るだろうか?

 よくPTAなどでも、自分はやりたくは無いが文句だけは100人前ほども垂れる、先生に対しても自分が教育評論家にでもなったかのように批判し聖人君子を求める。だが先生が問題に真剣に取り組めば取り組むほどオーバーワークで抱えきれなくなってしまうというのが実態だろうが、言われてばかりでひたすら耐えている先生方の忍耐力にも恐れ入る。短気な私にはとてもまねのできるものではない、びびっていないで少しは反旗を翻せよ(ー_ーメ)と思う私が教師になれば即、指導力不足教師の烙印を押されてしまうだろう(笑)。

しかし批判の急先鋒である親は自分が嫌な思いをしたくないばかりに子供の言いなりになっていて、親としてやらなければならないことから逃げていている。というか親自体が未熟(早く言えばお子ちゃま)すぎてわからないのだろう。

 それ以上に不登校やひきこもりの親にいたっては、親の会を作って集まり(ここまでは大変効果的なことだが)自分たちのことはそっちのけで学校バッシング。挙句の果てには学校不要論まで飛び出す過激な逆切れ親の会も見受けられるがこうなると、もうつける薬が無い。

もちろんNOLAではそのようなことの無いよう、父母研修会やゆきどけの会での勉強会や啓蒙活動を行っているのでこのような逆切れ親はいない・・・はず。私自身は学校は欠点というより限界もあるが、それ以上に子供が集団生活と規律のなかで社会性を身につけるためには無くてはならないものだと思っている。

 マスコミもしかり、事件が起これば大騒ぎして当事者たちの私生活までほじくりだして批判する。そして、地道に頑張っている様々な人たちの活動はほとんど表には出てこないのだ。だが、マスコミだって営利事業なのだから読者のニーズに合わせて記事を書くのは当然だ。

 もちろん我々、自立支援にかかわるものとて例外ではない、よりよい支援を行うためにネットワーク化が叫ばれているが、よく業界の人たちの会合で必ず出てくるのは、他の施設の批判。大抵はよく知りもせずにうわさだけであそこはこんなヒドイことをしている。とかここはたいしたことはないとか、新興勢力つぶしめいたことなど日常茶飯事だ。何より皆が皆自分のやり方が一番いいと信じて疑わない人たち。

特に年配の指導者にその傾向は強い。彼らが積み上げてきた苦労や実績の重みはわかるし敬意を表するが、自立支援に100%有効な方法が無い以上、色々な方法を模索し協力していくことは必要不可欠なことだし、様々なメニューを提示することは我々の責務なのだ。だいたい皆、なんとか子供たちの力になろうという想いには変わりは無い筈なのだが、あいも変わらず批判や対決に労力を惜しまない人たちが多いのには閉口してしまう。

 しかし、批判や愚痴を言ってみたところで始まらない。
本題に戻ろう。
まずカップヌードルのCMに流れてるMr,Chirdrenのタガタメという歌の歌詞の一節を紹介したい。

♪子供らを被害者に 加害者にもせずに
♪この街で暮らすため まず何をすべきだろう?
♪でももしも被害者に 加害者になったとき
♪できることと言えば
♪涙を流し 瞼を腫らし
♪祈るほかにないのか? 
  (中略)
♪左の人 右の人
♪ふとした場所できっと繋がってるから
♪片一方を裁けないよな
♪僕らは連鎖する生き物だよ
 
では私(NOLA)に出来ることは何か?
無い知恵を絞った結果、今年はネットワークの年と決め、様々な活動を開始した。
その中でまず理念や活動分野を超えて他の団体との連携協力を進めることとして

楽しい交流の輪を広げるべくフリースクール対抗ソフトボール奈良県大会の開催。
他の団体のイベントへ積極的に参加しての情報交換・協力関係の模索。
実際には
名古屋オレンジの会主催のパネルディスカッションへの参加
みらいの会(京都)主催の斎藤環先生を囲む勉強会への参加・一部共催
淡路プラッツ・はぐれ雲との共催での「共同生活の今日性」と題したパネルディスカッションの開催も計画中だ。

YMCA高校をはじめとしたNOLAでのワークキャンプ体験の受け入れ などなど
また、短期間で高い立ち直り率を誇る共同生活だがNOLAの現在のキャパシティーでは定員10人が限度で、入寮できない子達も増えており、NOLAで生活できる子はラッキーともいえる。

その間にも様々な理由で入寮できなかった家庭は悶々とした苦しみを続けている。そんな家族が少しでも楽に、また一刻も早い支援が受けられるよう、親の会(ゆきどけの会)設立し例会なども開催。

また提携フリースクールへの紹介など、少しでも落ちこぼれのないよう、二の矢三の矢の支援体制を整えつつあるところだ。

またお世話になっている地元吉野町の子供たちの支援として、出張駄菓子屋や同じ地元のカンブリア移動文庫と共に旧中龍門小の空き教室や運動場を利用した自由な遊び場(居場所)づくりにスタッフ・寮生共にプレーリーダーとしてボランティア参加し、様々な遊びを支援。
世代を超えて交流できる場所作りを目指している。

 また幼稚園や小学校子達にも無農薬の稲作を体験してもらうべくご近所の休耕田を借りて復活し、提供している(日常管理はNOLAが担当)

以上いずれも大それたことではない、バカな私が思いつくのはこんな程度である。
よりよい支援の輪を広げるために是非皆さんのお知恵を拝借したい。

子供は親の所有物ではない、地域の宝だ。
そして自分の子供を被害者も加害者にしないためには子供を見守る地域の目が必要なのだ。
おのおのがその地域の一員として出来ることを実行することが、上記の根本的な問題解決のための一番手っ取り早い方法だ。

もちろんNOLAも協力は惜しまないつもりである。
今後もお声がかかれば何処へでも飛んで行く所存である。

またNOLAはOPENハウスです。
どんなところ?とか、吉野が世界遺産に登録されたことだし遊びに行きたい!という個人や団体の方も大歓迎なのでお問い合わせを。                       
NOLA代表 佐藤 透
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